2.特集: 山口大学のアメニティ環境(2)
山口大学のアメニティ環境について
農学部 前田 健
私が山口大学に赴任して今年の9月で1年が過ぎました。慌ただしく過ぎたこの1年間でしたが、山口大学とそれをとりまく環境について感じたことを書き連ねてみます。
1) 山口大学の周辺について
東京の都市部で10年あまりを過ごしたせいか、山口の地に降り立ち、あたりを見回して感じたことは「なんて自然が多いんだ」からはじまりました。しかし時が経つにつれ、山口を取り囲む山々の緑、水量の豊かな堪野川を目にし、この自然を眺めるのが日課になりました。今では逆に都市に出張に行くと自然をみれない寂しさを感じることさえあります。山口大学周辺の自然環境はすばらしく、学生の自由でのびのびした雰囲気もこれらの自然に囲まれた学生生活に培われているような気がします。
2)通勤・通学事情について
山口市内及び近郊を車で走ると、渋滞もなく、その交通事情の良さを感じます。通勤・通学に時間がかからないのは非常に魅力的で、もう都会の通勤・通学事情には適応できないのではと不安にさえ思うほどです。
3)山口大学吉田キャンパス構内について
正門をくぐり最初に目にするのは、田んぼと広い駐車場、更に進むと本部前には鯉の泳ぐ池、一面芝生の敷き詰められた広場とその奥には控え目にも見える大学会館がある。まさに自然溢れる吉田キャンパスといった感じです。
山口及び山口大学の良いところばかりを書きましたが、気になる点も幾つかあります。
1)一番気になるのが、夜のキャンパスの暗さです。実験・実習などで帰宅が遅くなった学生は不安を抱きながら帰っていることと思います。安全で不安のない構内を維持するためにも、照明施設の改善が必要だと考えています。
2)車での通勤・通学が便利であるものの、車がなくなると、バスや電車の利用が不便なため、普段の通勤路も非常に長く感じます。私をはじめとした教職員の方々、並びに学生たちもできることなら車で通いたいと考えていることと思います。そのため駐車スペースも不足し、路上駐車が増えているのだと推測しています。
3)今、研究室でタイプを打っていると、窓から秋晴れのすばらしい天気が見え、つい窓を開けたくなりますが、風向きによってはゴミの焼却施設から出る排煙で、息苦しくなるため、つい手を止めてしまいます。この排煙は、大学周辺の住民にも迷惑かけていることと思います。
4)自然が多いのと相関して、雑草が生い茂っています。管轄をする部署が決まっているのでしょうか?もし決まっていないのであれば、定期的な草刈りが必要です。少数の人で構内全体の草刈りができるはずもありません。みんなで一致団結して解決すべき問題の一つです。
しかし、これらの問題点に対して、今年の9月に入って駐輪スペースを確保し、教職員の監視により、農学部前の路上にとめられた自転車はなくなり、景観も良くなりました。これは教職員・学生の努力により改善された良い例です。これが持続し、かつ今後も新たな問題点に取り組んでいく姿勢が必要です。
大都市の大学と比較して「山口大学のアメニティ環境」はかなりすばらしいと思います。しかし、大学全体が現状に満足せず、問題点を一つ一つ解決していくことにより、よりすばらしい山口大学を目指していくべきです。現在、世界中で、大気汚染・環境汚染が問題となっています。山口大学に通うのが楽しく、また山口大学にいたいと思える環境を一人一人が目指すことから始め、地域住民とともに住み易い山口市・山口県を目指していくことにより、少なからず地球の環境問題にも貢献できるはずです。