報告者:山口大学大学院連合獣医学研究科博士課程2年 伊賀瀬雅也
1.日時
2017年02月22日 17:00-18:30
2.企画者
山口大学大学院連合獣医学研究科 獣医学専攻 大学院生一同
3.代表者
円城寺秀平、伊賀瀬雅也
4.内容、目的
大学院生の視点から、各研究分野で活躍されている若手の先生をお呼びして講演を行っていただく。また、講演では、先生自身のキャリア形成についても触れていただき、大学院生の将来や研究生活に関して意見をいただくことで自身のキャリア形成の参考にする。講演会には学部を問わず多くの学生にも参加を促し、大学院進学への興味を持ってもらうきっかけにしてもらうという目的もある。
5.概要
今回は、脂質メディエーターに関する研究でご高名な東京大学の准教授である村田幸久先生をお呼びして、講演会を開催した。先生は、多くの受賞歴とメディアへの出演歴があり、現在獣医師として、最も注目されている研究者の1人である。ある脂質メディエーターを中心に幅広い疾患の研究を行っており、基礎研究から臨床現場への応用といった社会貢献をなさっている。研究者の卵である大学院生にとって、本学ではあまり例のない研究者像を学ぶことができた。
6.参加人数
40名(学部生、大学院生、教職員)
7.座談会内容
小さい時に、卵がダメだった。自分が小麦アレルギーでお母さんが大変そうだった。カニは好きだけどアレルギーがあるかも、、、。そんな経験を持つ人は少なくはない。
食物アレルギーは食品抗原が引き起こすアレルギー反応であり、小さな子供に特に多く発症する。下痢や嘔吐などの症状以外に、重篤になるとショックを起こして救急車で運ばれたり、不幸にも死に至るケースもある。
そんな身近で恐ろしい食物アレルギーではあるが、その診断方法や治療方法の開発は遅れている。
「小さな子供が食べたいものを安心して食べられるように」そんな願いから先生は、炎症制御にかかわる脂質メディエーターの産生量を、質量分析装置を用いて網羅的に解析することで、食物アレルギーの診断方法の確立や、発症メカニズムの解明、そして治療方法の確立を目指して研究を進めている。
本セミナーでは、食物アレルギーを含むアレルギー疾患に関する一般的な情報から、これまでに得ている研究成果、今後の展望について紹介された。
8.質疑応答
前回のセミナーの反省点を生かし、30分間の質問時間を設けた。会場からは10以上の質問が上がり、非常に充実した質疑応答だったと思われる。
9.まとめ
研究についての深い話だけでなく、研究者の在り方や多くの可能性についても講演していただいたことで大学院生だけではなく教員の方や学部生にとっても刺激的な講演会になったと感じた。
10.反省点
講演の開催決定が、開催日直前だったため、次回は余裕を持って準備する。
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