排水処理センター報告

       (山口大学における排水処理状況報告(1996年度))

排水処理センター 藤原 勇

 1996年度の排水処理状況を以下に示す。内訳は無機系廃液、有機系廃液、写真廃液、生活排水があり、それぞれの回収量、処理水量および排水の状態を示している。

無機系廃液の状況

 無機系廃液は、1996年度は年6回回収を行った(表1)。フェライト法による廃液処理を2回行った.一回目は1996年7月8ー13日に,2回目は1996年11月18ー23日に行った.処理量を表2-1に示す。1回目の処理水はカドミウム濃度が排出基準を超えたため,9月27ー29日に再処理を行った.また,2回目の処理水はヒ素濃度が排出基準を超えたため,2月20ー22日に再処理を行った.フェライト法により処理された後の処理水の水質調査の結果を表2-2に示す.排出基準以下になった処理水は吉田地区の生活排水に合流する。また,当処理施設では処理できない廃液については廃液のまま(1,533P)業者(日本産業廃棄物処理(株))に引き取ってもらった.処理工程で発生したスラッジは倉庫に保管している。

有機系廃液、写真廃液の状況

 有機系廃液は、年4回分別回収され、都市産業(株)により引き取られ焼却処理が行われる(表1)。有機系廃液は,12月の回収から新しい区分方法により回収した.通常の廃液と特別管理産業廃棄物とを区分して示した.写真廃液は年3回回収し、(有)大谷化学により引き取られる。なお定着液には銀が含まれているため銀含有量測定の上、相当価格をもって業者に渡すようになっていたが銀濃度が低いため処理費を払って処分してもらっている。

生活排水、下水道の状況

 生活排水(吉田地区)では処理水に自動測定装置(水量、COD、水量計)が設置され24時間稼働している。これらの1996年度の結果を示す(図1、2)。1996年6月11日を持って生活排水処理施設における処理を中止し,吉田地区も公共下水道に接続となった.また、生活排水は4,5月に各1回業者(中国水工(株))により、原水および処理水の水質検査(pH,DO,BOD,COD,SS,Cl- イオン濃度、大腸菌郡数)を行った(表3)。6月と12月には吉田地区,常盤地区(工学部)及び小串地区(医学部、病院、医短)の下水道への水質調査(重金属類等の項目)を行った(表4)。常盤地区においては,2月および3月に自主的に水質検査を行った.また吉田地区には1989年4月から国際交流会館が建立され、ここで発生した排水は浄化槽が設置され処理される。ここでは排水を接触ばっ気法により処理している。この処理の結果を表5に示す。この国際交流会館の排水も1997年3月24日から下水道に接続となり,浄化槽による処理は終わった.また,1997年にこれまで倉庫に保管してあった,凝集沈殿処理を行って発生したスラッジ(1,620kg)が業者((株)大分エキスプレス)によって処分された.このスラッジの溶出検査結果を表6に示す.

その他

1996年度の排水処理運営費決算表を表7に示した。

表1 無機系廃液等回収量                  単位リットル

表1 つづき 種類別回収量集計

表2 無機系廃液理

表2ー1 無機系廃液処理量

**重金属にふっ素りん重金属を含む

表2-2 無機系廃液処理水水質検査結果表

* 2回目の処理により0.01mg /P 未満となった.(9月27ー29日処理)

** 2回目の処理により0.01mg /P 未満となった.2月20ー22日処理)

表3 生活排水水質検査計量証明(吉田地区)

下水道に6月11日から接続のため,5月で終了

表4 有害金属等の水質検査結果表

 4-1 水質検査結果表 各地区 NO.1

* は8月6日に採水したもの 

4-2 水質検査結果表 各地区 NO.2

* 「水質汚濁防止法」による基準値

表5 国際交流会館水質検査結果

図1 生活排水処理水量(1996年)

図2 CODによる汚濁負荷量(1996年)

表6 平成8年度排水処理施設管理運営費決算書

表7 スラッジ溶出検査結果

溶出方法: 環告第13号(10%溶出)による(1997年2月6日)

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