常盤地区構内交通安全対策の立場から
常盤地区構内交通安全対策委員会委員長 三好正毅
大学構内の交通事情については、昨年の「環境保全第12号」に、吉田地区の事情が述べられていたが、常盤地区(工学部)においても、基本的には同様である。つまり、平気で規則違反をする人が多いことである。工学部においては、教職員用と学生用の駐車場を分離しており、駐車許可証は、教職員については、通勤距離が2km以上、学生については、通学距離が7km以上の者について発行している。ただし、工学部には夜間主コースがあり、夜間の授業が終る時刻(午後8時45分または午後9時35分)には、バスの便がなくなっているため、夜間主コースの学生に対しては、通学距離が2km以上の者について、駐車許可証を発行している。駐車スペースは500台余りで、駐車許可証の発行枚数は、教職員・学生それぞれ約200枚ずつであるから、違反車がなければ、駐車スペースに余裕があるはずであるが、現実は、許可証のない車や、許可証はあっても、学生の車が教職員用駐車場に駐車している。そのため、教職員が外出して帰ってきたときに駐車できないことや、来客が駐車できないことがある。学生用駐車場については、駐車している車のうち、許可証のない車が半分くらいを占めていることがある。
対策として、警告文を、各駐車場や学科の掲示板等に掲示したり、違反車に警告書を貼りつけたりしたが、あまり効果がみられないので、1996年10月から、古タイヤをチェーンで施錠し、3日後(2回目に施錠されたときは1週間後)に解錠している。違反車の数が多すぎて、全違反車にはとても施錠できないので、各駐車場の入口付近の目立つところにとめてある違反車に施錠している。施錠は、警告書の貼りつけよりは効果があるが、施錠・解錠の際に、タイヤ運び等の労力が必要であるので、労力と効果の兼ね合いから、施錠回数は月に1回程度である。施錠は、交通安全対策委員(2名/学科)と管理係及び厚生係の職員が行い、解錠は、交通安全対策委員が行っている。
自動二輪車と原付自転車は、騒音を発生するので、進入禁止区域を設け、建物の近くには駐輪できないようにしている。しかし、進入禁止の立札を立てているにもかかわらず、無視して、禁止区域内に進入してくる二輪車が多い。四輪車の施錠を行う際に、二輪車に警告書を貼り付けることによって、違反車が、多少は少なくなった。
自転車は、騒音を発生しないので、建物の近くの駐輪場や、道路と建物の間に駐輪できるようにしているが、道路にとめてある自転車も皆無ではない。
駐車場と駐輪場の一部には、廃車になった四輪車、自動二輪車、原付自転車、自転車が放置されており、対策に苦慮している。
違反車に施錠を行えば、ある程度の効果は見られるが、しばらく行わずにいると、元の木阿弥で、違反車が増えてくる。そこで、自動遮断機を設けることを検討し、既に設置している大学を視察した。しかし、設置後、管理人が必要になること(度重なる定員削減のため、工学部には警務員がいない)、工学部構内は再開発中であるので、工事に伴って、設置場所を移動する必要があること等のため、自動遮断機の設置は実現していない。また、駐車場所を自動車通勤者に割り当て、個人管理してもらうことも検討したが、合意が得られなかった。
以上述べたように、工学部構内の現状は、快適な環境とはほど遠い。対策として、物品搬入車以外の車を入構禁止にし、大学関係者の車は、工学部周辺の民間駐車場に駐車してもらうようにできればよいのだが、工学部の周辺は、宅地化が進行しているため、駐車場になるような土地は少なく、また、歩く距離を少しでも短くしたいという人が多いようなので(建物に近い駐車場から、満車になって行く)、合意が得られそうにない。車が世に満ち溢れている限り、大学構内への侵入は防ぎきれないから、ガソリンに高額の炭素税をかけて、車に乗るのを抑制するしかないように思う。