編集後記

 本号のテーマは、「リサイクル」に関する話題でしたが、特集にさせていただきました、松田先生の「プラスチックのリサイクルコスト」を読ませていただき、改めてリサイクルの難しさを実感致しました。また、ほとんどの学部の先生から、リサイクル、ゴミ問題や環境問題に関する力作を頂き、誠にありがとうございました。
 現代社会に生きる私達の周囲には、CO2増加による地球温暖化、オゾン層の破壊、環境ホルモン問題等々、多くの環境問題が山積みされています。これらの問題の多くは、私達の生活スタイルに起因しています。環境問題に取り組む時に、多くの人は、企業や行政を批判することで問題が解決すると考えています。そして、基本的な問題が、私達個人にあるということを忘れています。全ては、私達個人個人による生活スタイルの見直しから始めなければなりません。私達の日々の生活における消費行動及びリサイクル行動がすべての環境問題の基本であることを私達は気付くべきです。
 この様な個人個人を対象とした運動は、学問の府であり、かつ、企業や行政、地域住民とも適当に距離がある大学人から始めるのが、一番適切ではないでしょうか。私は、大学人が社会に還元できる一つの大きなテーマと考えられます。そして、私達、大学人がこれらの取り組みの見本を示すことによって、一般社会の人々にも、それを真似ることにより、環境問題を解決する方法を導き出されたらと考えます。大学も独立行政法人化が避けることの出来ない段階にあります。この様な時こそ、大学が一体となって社会に貢献すべき事柄の一つの大きな課題と考えられます。
 この為には、身近かな生活スタイルの見直しを始め、それを行動に移すことから始めるのが適当かと思います。最初は、ごく小さく、わずかなことでも、年々、数を増すことによって、大きな環境保全に役立つのではないかと思われます。最後になりましが、本号を編集するのに後協力いただきました、編集委員の先生方、執筆に御協力下さいました先生方、さらに、本号の骨子を作っていただきました排水処理センター長の佐々木先生、藤原先生にこの場を借りまして厚く御礼申し上げます。
                              平成11年10月27日
 
                            編集委員長:芳原達也