研究科長挨拶
 

25年目の桜 

〜新たなフェーズに向かって〜

連合獣医学研究科長
佐藤 宏

 桜が満開の春を迎え、連合獣医学研究科も満25年を無事に迎えた。平成2年春に設置されて以来、幾多の試練を乗り越え、西日本を中心とした獣医学領域の大学院教育を担う機関としての責務を果たし、高く評価されるところとなった。創設時の4大学(鳥取、山口、鹿児島、宮崎大学)から、平成22年に現在の3大学構成となっているが、この四半世紀で、課程博士修得者は357名、論文博士取得者は58名を数え、そのうち留学生がそれぞれ112名と7名である。当初からアジア圏を中心として海外27カ国から留学生を受け容れてきた実績は、帰国留学生の高等教育機関・研究機関での畜産振興(食の確保)と公衆衛生(食の安全・環境の安全)教育・研究を通して、世界の人々が安心して暮らせる現代生活の維持と向上に大きく貢献している。このようなグローバルな教育環境の中で育つ日本人学生も、その視野を広げ、世界での先端レベルの業績を積み重ねてきた。この25年の実績が、これからの発展への大いなる期待となっていることを、連合獣医学研究科として大いなる誇りと考える。

 連合獣医学研究科の基盤は、修了生の学位取得後の社会での活躍であり、また、その可能性を育む教員の人材育成への熱意と努力である。入学定員数12名に対して、入学希望者は常に多数を数えたことから、研究科としてできる限りの受け入れに努めて、社会の要請に応えてきている。教育面でも充実へ努力し、学生の向上心・挑戦志向を支えている。学生と共に、この四半世紀を走ってきた連合獣医学研究科として、その設置からの実績を改めて見つめ、これからの更なる発展を期して、『連合獣医学研究科25年記念』を平成27年度に開催する計画である。その主要な行事として、創設時の4大学それぞれで開催するセミナーを予定している。各国の社会の前線で活躍する帰国留学生を含めた修了生を招聘し、研究科の更なる発展と挑戦を図りたい。また、研究科として国際連携を強めるために、『UVY名誉フェロー』制度の導入、『国際学術交流協定』の締結を進めている。

 高等教育機関の使命は、社会の発展と安定に貢献できる専門家(教育者・研究者・技術者)としての人材育成にある。複数の大学で構成される連合研究科としての歩みは、それぞれの個性(特徴)が切磋琢磨する絶好の教育機会となり、相互に大いなる刺激となって、連合獣医学研究科としての教育が機能してきた。この特性は更に活かされるべきであり、新たな飛躍をこれからに期待したい。

 

2015年4月吉日


 
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