エイズ・アウェアネス・ジャズ・コンサート

      2008 in 山口

「愛する人のことを考えました」

エイズについて考えるジャズ・コンサート

「エイズ・アウェアネス・ジャズ・コンサート2008 in 山口」

 

世界銀行東京事務所の呼びかけに応じ、山口大学と”Red Shoes Foundation”(注)が主催した「エイズ・アウェアネス・ジャズ・コンサート2008 in 山口」(世界銀行、国際連合大学共催)が、12月3日夕、山口大学吉田キャンパスの大学会館で開催されました。

学外からの参加者、学生、教職員約150人が参加し、エイズについての理解を深めるとともに、ニューヨークで活躍するジャズ・メン達の演奏を大いに楽しみました。

この催しは、12月1日の「国際エイズ・デー」に合わせた企画で、世界のエイズの現状やエイズ予防の重要性を、学生を含む多くの市民の方に知ってもらう事を目的として東京、名古屋、京都、山口で開催されました。

 

山口大学理事・塚原正人教育学生担当副学長、”Red Shoes Foundation”理事・高橋節さんの主催者挨拶で始まり、第1部では、エイズに対する理解を深めてもらうため、まず山口大学医学部・山田治教授が「エイズという病気とその予防」と題し、エイズについての基礎知識やその予防、そして最近の日本における状況等について講演されました。引き続き「世界のエイズ、今--私にとってのエイズ」のテーマで、世界銀行東京事務所・大森功一広報官が世界のエイズの現状や世界銀行の取り組みについて、医学部の学生サークル「山口大学エイズカフェ」の川添麻美さんがエイズカフェの活動やエイズに対する自らの思いを熱く語られました。



第2部は「中村照夫&ライジング・サン」のジャズ演奏です。中村照夫さんは
22歳で渡米し、ハーレムで伝説の巨人たちからジャズの心を学び、1970年代後半から、ライジング・サンを率いてニューヨークを拠点に活躍されているジャズ・ベーシストで、第24回南里文雄賞を受賞されています。そうした演奏活動のかたわら、エイズで多くの有能なミュージシャンの生命が失われていった現実に接して1996年から日米両国で、エイズ・アウェアネス・コンサートを続けておられます。

ニューヨークから参加したグレッグ・バンディ(ドラム)、ビル・ウェア(ヴィブラフォン)、ジョー・バーガー(エンジニア、ギター)、日本で活躍中のジャズ・ピアニスト青木弘武が加わった演奏は迫力十分で、会場に集まった聴衆は手で、足でリズムをとりながら2時間たっぷりジャズ演奏を楽しみました。中村さんは演奏の合間に、自らの体験を交えながら、エイズの問題、そうした問題に私たちが気づくことの大切さを語りかけられました。言葉だけでなく音楽を通してのアウェアネス(気付き)のインパクトについても強く感じさせられるイベントでした。

 

新聞で今回のイベントを知り、山口市から駆けつけてくださった方がいらっしゃいました。この方は中村照夫さんの大学時代のご友人で、今回は10数年ぶりの再会だったそうです。「学生が中心になって大学内でこのようなイベントを開催されたのはよいことだと思います。中村君のジャズ演奏はニューヨークでの活動を通して培われた素晴らしいもので、広報を工夫してもう少し多くの方に聞いてもらえたら良かった。」と話してくださいました。今回のイベントが友情を更に強める絆になったなら、主催者としても大変うれしいことです。

 

他にも、参加者の方々から多くのコメントを頂きました。そのいくつかを紹介しておきます。

「昨日は遅くなりましたが、仕事が終わってからジャズ・コンサートに伺いました。とても素敵な演奏で、感動致しました。ありがとうございました。」(市民)

「中村さんのベースの演奏に特に心を打たれ私もベースのように人を支え、人に安心感を与えられるような人間になりたいと思いました。演奏者の皆さんともたくさんお話ができ、大変貴重な体験ができました。」(学生)

「私は音楽に疎いということもあり、先日がジャズを聞いたのが初めてでした。

言葉ではなく、音で心に訴えかけてくるのが、彼らレッド.シューズ.ファンデーションであり、それは、音楽に疎い私にも響きました。」(学生)

「会の内容は大変すばらしいもので、ジャズの演奏も大変に楽しく聞かせていただきました。本学でも一日も早く学生を巻き込んだこのような会をもてればと願っています。」(広島から参加下さった大学教員)

 

山口での開催にあたっては、(財)山口放送文化事業団のご協賛、山口県、読売新聞西部本社、山口放送のご後援を得ることが出来ました。また、ポスター作成、プログラムの作成・配布、当日の会場準備並びにイベントの司会については、学生サークル「YICA(Yamadai International Cooperation Association)」が多大の協力をしてくださいました。本コンサート開催をご支援下さいました方々に心より感謝申し上げます。

 

世界銀行東京事務所のホームページにも当日の模様が掲載されています。

http://go.worldbank.org/LA00744PI0><http://go.worldbank.org/YCHPG94S50

 

 

      注:”Red Shoes Foundation”とは、 中村照夫さんが、大切な友人やその家族、芸術の先駆者達がHIV/に感染し、亡くなるのを目にし、多くの人にこの悲惨なエイズの問題に気づいてもらう(アウェアネス)ために始めた(1996年)ジャズ・コンサートがきっかけとなり、この活動に賛同する有志の仲間と2002年に設立した非営利任意団体です。




 

  関連情報: 世界銀行 ・ Red Shoes Foundation