国際協力機構中国国際センター(JICA中国)永田所長が来学

〜日系研修員を交え意見交換をしました〜

 

 山口大学では国際化の一環として、日本の政府開発援助(ODA)の主要実施機関であるJICAと密接な連携関係を維持してきました。20063月には、山口大学教育学部・経済学部とJICA中国(国際協力機構中国国際センター)が、国際協力事業の質的向上と援助人材の育成を目的として、包括連携協力覚書を締結しています。また、現JICAODA部門が統合した国際協力銀行(JBIC)とも2004年5月に「海外経済協力分野に関する協力協定」を締結しています。

 

 今般、前述の通り協力関係にあるJICA中国(東広島市)の永田邦昭所長が新任の挨拶のため来学し、学長特別補佐・吉田一成国際戦略室長らと、現在の山口大学とJICAの連携の現状や、今後の一層の連携につき意見交換を行いました。

 意見交換の席には途中から、本学農学部で「黒毛和種牛など高品質肉牛の管理と繁殖」の研修を行っているブラジルからのJICA日系研修員・Danila FUJISAKIさんが加わり、彼女の研修内容や山口での研修・生活の状況などにも話題が及びました。Danilaさんは、日系3世でお父様が牧場を経営されていることから、本年5月に来日し来年2月までの予定で、農学部獣医学科 角川博哉准教授のもとで「高品質牛肉の生産現場での実習や研究室での研究を通し、新しい効率的な飼養管理や繁殖管理等の基盤を習得する。」ための研修に励んでいます。

 

 Danilaさんは、日本で学ぶ機会を与えてくれた山口大学とJICAに感謝すると述べると共に、角川先生の丁寧な指導、地域の人々の親切に助けられ、楽しく研修を続けていると永田所長、吉田室長に報告しました。日本の生産者が肉の品質向上と衛生管理に払う努力は大変参考になるとしつつも、大規模経営のブラジルにこの日本の技術を導入するには、資金も必要で時間がかかるだろうと感想を述べていました。ただ、「神戸ビーフ」に代表される高品質肉への関心はブラジルでも高まりつつあり、国民の生活水準の向上に伴い需要の増大も期待できるので、父を手伝いながら、今回学んだ技術を活かしていきたいと将来への抱負を語りました。

 

 最後に、吉田室長がJICA中国とも連携して、山口大学の国際化を一層進めていきたいと述べ、永田所長もJICAとしても山口大学との連携を重視しているので、お互いに友好的な関係を維持していきたいと発言されました。

 

参考1.日系子弟研修員とは:世界各地の日本人移住者・日系人は、その国の善き市民としてさまざまな分野で活躍しています。特に戦後の主な移住先であった中南米諸国では、日系人が農業を中心にその国の産業・経済の発展に大きく貢献しており、海外諸国と日本を結ぶ「架け橋」的存在となっています。こうした日系人の役割を支援するため、JICAは日系人を対象として技術研修を実施しています。

 

参考2.最近のJICAとの連携実績:(ここをクリックして下さい。)