国際理解イベントに170名の参加者!!

〜〜みんなの笑顔の「種」が播かれました〜〜

 

現在の世界には「貧困」「環境」をはじめとする多くの難しい問題があります。その解決に取り組む国際機関や日本政府の国際協力については、実施現場が開発途上国であるために、事業の実態や成果が一般の方々には見え難く、十分な国民の理解を得られておりません。このため、山口の人々にも広く国際協力を知っていただく機会として、山口大学では外務省の事業の一環として「世界のみんなの笑顔のために〜山口の地域力を世界に〜」をテーマに、1031日に国際理解イベントを開催しました。このイベントには、山口県内で活動する市民団体や学生サークル13団体が参加しました。

晴天に恵まれた会場には、約170名を超す市民の方、学生が参加し、留学生や山口県の国際交流員も交え、国際色豊かな催しとなりました。遠くは岩国からお出かけ下さった方もいらっしゃいました。

イベントは午前1045分に山口大学学長特別補佐・吉田一成国際戦略室長の主催者挨拶で始まりました。吉田室長は「みんなの笑顔の種を持って帰って下さい。」と集まった100名近くの聴衆に呼びかけ、今回のイベントが貧困に苦しむ多くの世界の人のことを、「見て、知って、考える」機会になるよう訴えました。続いて、午前11時からは、国連開発計画(UNDP)村田俊一 駐日代表の、「世界は今〜私たちに何が出来るか?〜」と題する基調演説が行われました。村田代表は国際協力は私たちにとって遠い世界のことでなく、戦後の日本もアメリカをはじめ海外の人たちから多くの支援を受けたこと、今も食料品の多くを海外に依存する現状などを紹介しながら、国際協力が私たちの生活と密接に関連している点を強調されました。そして、自らの国連での仕事を、「命を懸けられる仕事」だと熱く語られ、若き日のブータンでの活動を映像で紹介されました。


講演を聴いた学生からは、「自分はバックパッカーとして多くの国を訪れ、多くのことを学んできたが、そのつど海外は危険だと言って、両親は自分の行動を理解してくれない。どのように説得すればよいだろうか?」という質問が出され、村田代表から「海外を見ることによって、あなたのものの考え方や行動に変化があったはず。自分がどのように成長してきたかを、両親に話す機会を作れば分かってもらえるはず。」との分かりやすい助言がありました。講演終了後も、学生や参加いただいた市民の方などが村田代表を取り囲み、質問攻めにする光景も見られました。

この日の講演を聴いた市民の方からは、「目先のことだけでなく、途上国や世界の問題を自分の問題として考える、その人として当然のことの大事さに改めて気付かされました。これからも熱い気持ちを忘れずにいたいと思います。」、「村田先生の話は、大変良かったと私の友人、知人皆感激していました。」といった声が届いています。村田代表は、講演終了後もお弁当を食べながらの10名ほどの学生との意見交換に応じて下さり、学生たちは代表の気さくで率直な意見をお聞きし、途上国や国際協力への関心をより深くしたようでした。

 

午後からは各自、参加団体による趣向を凝らした活動報告や途上国の現状紹介ブースを回り、また参加型のワークショップなどに参加し、多くのことを知り、考える時間を持ったようです。そして、いろいろな発見と自分たちにも出来る国際協力のヒントをつかんだようでした。また、スペインから来ている山口県国際交流員が作る、スペインオムレツやフェアトレードで輸入されているコーヒーや紅茶、クッキー、チョコレートなどを試食、試飲するなど食の国際交流も楽しみました。留学生たちには、平川地区の方たちが準備下さった日本の代表的なスナック「たこ焼き」と「焼きそば」が大好評でした。

地域の皆さんの参加と協力を得た今回のイベントは、大都会で開催されるこの種のイベントに比べれば本当にささやかなものでしたが、参加した方々のネットワークを強め、山口の地域力が「世界のみんなの笑顔のために」役立つ第一歩になることができました。来年も、このようなイベントを企画できることを願っています。

最後に、今回のイベント開催にあたり、ご参加、ご協力下さった方々に心からお礼申し上げます。また、山口大学と一緒にこのイベントを企画し、資金支援を下さった ()国際協力推進協会(APIC)、また、後援頂きました外務省、山口県、山口市、国際協力機構(JICA) 中国国際センター、()山口県国際交流協会に対し、心より感謝申し上げます。

また、休日にもかかわらず山口までお出かけ下さり、大変有意義なお話を聞かせて下さったUNDPの村田俊一駐日代表には、当日お話を伺った学生たちのコメントをお礼の気持ちを込めて送らせて頂きます。皆様、本当にありがとうございました。

     

 当日のプログラム、参加団体とその企画イベント