大腸癌組織のマイクロRNA量は、免疫療法の効果を予測するバイオマーカーとなる(消化器・腫瘍外科学、先端がん治療開発学、山口大学工学部、大阪市立大学、近畿大学、東京医科大学、シカゴ大学)
miR-125b-1 and miR-378a are predictive biomarkers for the efficacy of vaccine treatment against colorectal cancer. Tanaka H, Hazama S, Iida M, Tsunedomi R, Takenouchi H, Nakajima M, Tokumitsu Y, Kanekiyo S, Shindo Y, Tomochika S, Tokuhisa Y, Sakamoto K, Suzuki N, Takeda S, Yamamoto S, Yoshino S, Ueno T, Hamamoto Y, Fujita Y, Tanaka H, Tahara K, Shimizu R, Okuno K, Fujita K, Kuroda M, Nakamura Y, Nagano H.
Cancer Sci. 108, 2229-2238, 2017. doi: 10.1111/cas.13390.
切除不能大腸癌に対するペプチド療法と標準化学療法併用効果を確認する多施設共同前向き第II相試験に登録された症例のうち、治療前の原発巣組織が入手された68例で腫瘍組織のマイクロRNAを網羅的に解析した。その結果、miR-378aが低い症例では長期予後が望めることが分かった。
図1:がん組織の中でも、癌間質細胞に含まれるmiR-378aの量が少ない症例では、がん免疫化学療法の効果が高い
表:多変量解析の結果、様々な予後因子の中で、癌間質のmiR-378a量が最も免疫化学療法の効果を予測する因子であることが分かった。