大腸腫瘍患者の便検体においてTWIST1メチル化が有意に増加している(臨床検査・腫瘍学、消化器内科学、消化器・腫瘍外科)
我々は、腸内細菌の一つであるフソバクテリウムヌクレアタムの高感度測定法を開発し、日本人の大腸腫瘍患者の便検体においてフソバクテリウムヌクレアタムの量が有意に増加していること、さらにその量が大腸癌の予後と関連していることを報告している。一方で、フソバクテリウムヌクレアタムは大腸の慢性炎症を引き起こし、その結果、DNAのメチル化を起こすことで発癌につながる可能性が報告されている。我々は以前TWIST1メチル化が大腸腫瘍特異的に生じていることを見いだしていたが、従来の技術では困難であった便検体からのTWIST1高感度メチル化解析法を最近、開発・特許を取得し(特願2015-177040:発明名称:大腸腫瘍の有無を検査する方法)、大腸腫瘍患者の便検体においてTWIST1メチル化が有意に増加していることを報告した(図1)[文献1]。
図1:大腸腫瘍(腺腫、大腸癌)、健常者の便検体におけるTWIST1メチル化の検討. 健常者と比較し、有意に増加している。
文献
1) Suehiro Y, Zhang Y, Hashimoto S, Takami T, Higaki S, Shindo Y, Suzuki N, Hazama S, Oka M, Nagano H, Sakaida I, Yamasaki T. Highly sensitive faecal DNA testing of TWIST1 methylation in combination with faecal immunochemical test for haemoglobin is a promising marker for detection of colorectal neoplasia. Ann Clin Biochem. 2017 Jan 1:4563217691064. doi: 10.1177/0004563217691064.