HSF1による細胞老化経路の解明(医化学講座、群馬大学生体調節研究所)
Acute HSF1 depletion induces cellular senescence through the MDM2-p53-p21 pathway in human diploid fibroblasts.
Oda T, Sekimoto T, Kurashima K, Fujimoto M, Nakai A, and Yamashita T.
J. Cell Sci. 131, jcs210724, 2018
熱ストレス応答を制御する熱ショック転写因子HSF1は、シャペロンやタンパク質分解関連因子群の発現調節を介して細胞のプロテオスタシス容量の維持に重要な役割を担う。HSF1はさらに、寿命を伸長し、一方でがんの進展を促進するが、これらの病態の進行は細胞の老化と密接に関連している。今回、群馬大学生体調節研究所の小田司助教、山下孝之教授らの研究グループは、山口大学大学院医学系研究科医化学講座との共同研究でヒト培養細胞の老化がHSF1の減少で促進されること、そしてその機構はMDM2抑制因子DHRS2に制御されるMDM2-p53-p21経路を介することを明らかにした。これまでに知られていたシャペロンを介する経路とは異なり、HSF1-DHRS2経路が老化やがんの治療ターゲットとなる可能性を示唆する。本研究は広範な研究領域と関連しており、'Research Highlights'に選ばれて雑誌の巻頭で紹介される。
群馬大学生体調節研究所:
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