シャペロンがQT延長症候群と関連するKチャネル活性を調節する仕組みを解明(鳥取大学—医化学分野)
Iwai C, Li P, Kurata Y, Hoshikawa Y, Morikawa K, Maharani N, Higaki K, Sasano T, Notsu T, Ishido Y, Miake J, Yamamoto Y, Shirayoshi Y, Ninomiya H, Nakai A, Murata S, Yoshida A, Yamamoto K, Hiraoka M, Hisatome I.
Hsp90 prevents interaction between CHIP and HERG proteins to facilitate maturation of wild-type and mutant HERG proteins. Cardiovasc. Res. 100, 520-528, 2013.
心疾患であるQT延長症候群はKチャネル活性及びK電位差と関連している。今回、鳥取大学再生医療学分野を中心とする研究グループは、山口大学他との共同研究により、Kチャネル活性の調節因子HERGがユビキチンリガーゼCHIPによりユビキチン化を受けて分解されるが、その過程は熱ショックタンパク質HSP90により抑制を受けることを明らかにした。したがって、HSP90の高発現は、HERGを安定化してKチャネル活性を増強することで、膜電位差を亢進した。これらの結果は、HSP90がHERG変異によるQT症候群の治療ターゲットの可能性を示唆する。