TNF-αによる角膜上皮細胞のバリアー機能破綻に対するレバミピドの保護作用(眼科学分野)
Protection of Human Corneal Epithelial Cells from TNF-α?Induced Disruption of Barrier Function by Rebamipide

Kazuhiro Kimura, Yukiko Morita, Orita Tomoko, Junpei Haruta, Yasuhiro Takeji, Koh-Hei Sonoda

Invest Ophthalmol Vis Sci. 2013 54(4):2572-760.  

前眼部炎症は、バリアーとして機能する角膜上皮に影響を及ぼし、しばしば上皮障害をきたす。炎症性サイトカインTNF-α低酸素は角膜上皮細胞のtight junctionのZO-1の発現、局在に影響を及ぼし、そのバリアー機能を低下させる。今回我々は、レバミピドがTNF-αによる角膜上皮細胞のZO-1の発現、局在への影響を阻害し、そのバリアー機能低下を阻害することを明らかにした。さらにレバミピドは、TNF-αによるアクチンストレスファイバー形成及びMyosin Light Chainのリン酸化亢進を抑制した。また、前眼部炎症が寄与すると考えられているドライアイにおいて、そのモデルラットの角膜上皮障害をレバミピドは有意に抑制した。レバミピドは、アクチン骨格の再編成を介してtight junctionへのZO-1の局在や発現を維持し、TNF-αによる角膜上皮バリアー機能破綻を抑制し、前眼部炎症における角膜上皮障害の治療薬として働きうる可能性が示唆された。