角膜線維芽細胞におけるTNF-αによるコネキシン43の発現低下に対するJNKシグナル経路の役割(眼科学分野)

Role of the JNK Signaling Pathway in Downregulation of Connexin43 by TNF-α in Human Corneal Fibroblasts.

Kazuhiro Kimura, Orita Tomoko, Naoyuki Morishige, Teruo Nishida, and Koh-Hei Sonoda.

Curr. Eye Res. 38, 926-932, 2013.

  炎症性サイトカインTNF-αは、角膜での炎症に深く関与している。角膜の透明性に寄与している角膜線維芽細胞は各々gap junctionを介して構造、機能的に結合している。角膜線維芽細胞においてTNF-αは、gap junctionの構成分子であるコネキシン43の蛋白質発現ならびに細胞間での局在を抑制し、結果としてgap junction機能を低下させる。さらに、このTNF-αの下流の経路にMAPKシグナル伝達経路が関与しているか種々のMAPKsの阻害剤を用いて検討した。結果として、このTNF-αによるコネキシン43の発現低下およびgap junction機能を低下に対して、JNK阻害剤がそのTNF-αの作用を有意に抑制することを明らかにした。MAPKシグナル伝達経路の中でもJNKを介する情報伝達経路はコネキシン43の機能を制御し、角膜での炎症に重要な働きをしている可能性が示唆された。