ヒト子宮内膜間質細胞でのcAMPによる遺伝子発現にC/EBPβとヒストン修飾が重要である(産婦人科学分野)

Tamura I, Sato S, Okada M, Tanabe M, Lee L, Maekawa R, Asada H, Yamagata Y, Tamura H, Sugino N.

Importance of C/EBPβ Binding and Histone Acetylation Status in the Promoter Regions for Induction of IGFBP-1, PRL, and Mn-SOD by cAMP in Human Endometrial Stromal Cells.

Endocrinology 155, 275-286, 2014.

子宮内膜間質細胞(ESC)の脱落膜化では多くの遺伝子の発現が誘導されることが知られている。CCAAT/enhancer-binding protein β (C/EBPβ)は、これらの発現に関与している転写因子のひとつといわれている。我々は、脱落膜化で発現が誘導される遺伝子のうち、IGF-binding protein-1 (IGFBP-1)、 prolactin (PRL)、 manganese superoxide dismutase (Mn-SOD)の3つの遺伝子の発現調節機構を検討したところ、いずれも脱落膜化による発現上昇には、C/EBPβのpromoterへの結合が重要であることが分かった。さらに、興味深いことに、IGFBP-1とPRLについては、C/EBPβへの結合が基点となりpromoter領域のヒストンアセチル化が誘導されるというepigenetic調節機構が存在することがわかった。