脳型脂肪酸結合タンパク質FABP7はリンパ節T細胞領域の線維芽細胞に局在する(器官解剖学分野)
Tokuda N., Adachi T., Adachi Y., Higashi M., Sharifi K., Tuerxun T., Sawada T., Kondo H., Owada Y.
Identification of FABP7 in fibroblastic reticular cells of mouse lymph nodes. Histochem Cell Biol., 134, 445-452, 2010.
本研究では、長鎖不飽和脂肪酸の細胞内シャペロンの1つである脳型脂肪酸結合タンパク質(FABP7)が、二次リンパ組織内T細胞領域の線維芽細胞(FRC)に局在することを明らかにした。また、FABP7ノックアウトマウスのリンパ節のリンパ球サブセット解析により、FABP7がリンパ節内でリンパ球の恒常性維持に関与している可能性を示した。
近年、摂取脂肪酸とその代謝物が免疫系細胞の機能に与える栄養学的効果に注目が集まっている。本結果によって、リンパ節T細胞領域の線維芽細胞(FRC)における脂肪酸およびその代謝物がリンパ球の恒常性維持に寄与するメカニズムの解明が期待される。