第2回生体恒常性とストレスセミナーは、大阪大学大学院生命機能研究科の難波啓一教授を迎えて平成22年1月26日に霜仁会館で開催された。 

「生体超分子ナノマシンの構造機能解明に向けて −電子顕微鏡法とX線回折法のポテンシャル−」と題した講演では、細菌鞭毛蛋白質のX線結晶構造解析や電子線による解析から鞭毛プロペラの反転や鞭毛フック機能の原子レベルでのスイッチ機構や作動メカニズムが紹介された。この中で、蛋白質結晶などを作らずにX線回折法に迫る解像度が得られる、電子線を用いた新たな蛋白質構造解析法を開発したことの紹介もあった。

講演後には、細菌の生理機能と鞭毛構成蛋白質との関係など、活発なディスカッションがあった。電子線を用いた画期的な蛋白質超微細構造解析法は、今後、様々な分野での蛋白質構造機能連関の解明に大きく貢献するであろうとの印象を受けた。

(セミナー担当者)