第6回生体恒常性とストレスセミナーを開催しました

 第6回生体恒常性とストレス応答セミナーが、2010年12月3日(金)に医学部第1講義において開催されました。今回は、夏目徹先生(産業技術総合研究所・細胞システム制御チーム・チームリーダー)をお招きし、「超高感度タンパク質質量分析システム」というテーマでご講演いただきました。講演では、世界最高レベルの感度を誇る質量分析技術が可能になった経緯や仕組みについて解説されました。特に、実験系の一部はロボットを使って細胞を回収•処理しますが、熟練したヒトが行う作業より遥かに安定な結果が得られることを見事に示しておりました。また、空気中の微量物質を排除するクリーンルームを必要とするほど超高感度であることは圧巻でした。この新しい技術を利用したタンパク質ネットワーク解析により生命科学分野に多大な貢献をしていられますが、その一部について紹介されました。ご講演の後、分析機器の仕組みをはじめ、同定されたタンパク質の特異性、定量化、さまざまな細胞や組織での応用等について熱心な議論が行われました。

 タンパク質ネットワーク解析は、研究推進体「ストレス」のプロジェクト推進にとって基盤となる技術の一つであり、夏目先生の“新しい技術”によりプロジェクト研究の新たな展開が期待されます。

(主催者)