第8回生体恒常性とストレスセミナーを開催しました

 第8回生体恒常性とストレス応答セミナーが、2011年3月4日(金)に医学部霜仁会館において開催されました。今回は、梅田真郷先生(京都大学工学研究科・教授)をお招きし、「脂質生物学から温度生物学へ」という テーマでご講演いただきました。講演の前半部では、脂質2重膜に関する基本的なお話から、膜リン脂質のフリップフロップ現象が細胞移動や分裂に、細胞骨格のリモデリングに密接に関わりながら関与する可能性について示されました。後半では、個体の温度嗜好性決定機構について、異なる温度嗜好性を示す遺伝子改変ジョウジョウバエを用いたアプローチが紹介され、ジストログリカンによるエネルギー産生系の調節が、ショウジョウバエの温度適応決定に必須であることが紹介されました。 講演後には、細胞膜の非対称性が生体反応に及ぼす機構や、哺乳類における体温調節・適応メカニズムについて、非常に活発なディスカッションが行われました。              

(器官解剖学)