第14回山口大学イブニングセミナー「老化と寿命の遺伝子スイッチ」を開催しました

 

上記セミナーが、2001年2月10日に東京のキャンパス・イノベーションセンターにおいて開催された。本セミナーは、以前開催していた山口大学イブニングセミナーのスタイルを変えて再開しようとするもので、再開にあたり本研究推進体に依頼され、研究推進体「ストレス応答と関連した難治性疾患の克服のための戦略」との共催で企画された。

 概要

ヒトは100年を超えて生きることができますが、マウスはせいぜい3年の寿命です。このような生物の老化と寿命のタイミングはあらかじめ遺伝情報としてプログラムされており、それを読み取る共通のスイッチが明らかとなってきました。このスイッチを人為的に操ることで、老化やそれと関連する病気の進行を遅らせる可能性がでてきました。本セミナーでは、モデル生物である線虫とマウスから明らかになったスイッチの仕組み、そしてアルツハイマー病などの老化と関連するヒトの病気や寿命について最新のデータを交えて解説します。

 プログラム

演題1:「老化のメカニズムと病気」

 中井 彰(山口大学大学院医学系研究科 教授)

演題2:「1 mm の生物が教えてくれる病気と寿命のメカニズム」

 深水 昭吉(筑波大学大学院生命環境科学研究科 教授)

 

老化や寿命という身近なテーマのためか、一般の聴衆50名以上の多数の参加があった。講演は、中井が主に環境ストレス応答の観点から、深水先生は栄養環境の観点から最先端の老化の仕組みを解説し、将来の展望についても触れた。科学的根拠に基づいた分りやすいお話であり、講演の後も活発な討論があった。

 (企画者)