岡君が学位を取得しました
岡真太郎君(泌尿器科学講座所属)が2017年9月に医学博士の学位を取得しました。学位論文は「ライディッヒ細胞のステロイド合成における熱ショック転写因子HSF1の役割」(Endocrinology誌に掲載)です。本研究室ではこれまで、HSF1トランスジェニックマウス及びHSF1ノックアウトマウスの作製と解析から、HSF1が神経細胞をはじめとする体細胞の温熱抵抗性の獲得に寄与し、一方で精子形成細胞の温熱感受性を高めて排除を促進することを報告してきました(EMBO J. 2000; Mol. Cell. Biol. 2003; EMBO J. 2010)。岡君は、マウス精巣のライディッヒ細胞で、慢性的な温熱ストレス条件下でのステロイド合成におけるHSF1の役割を検討しました。その結果、HSF1が温熱ストレス条件下でステロイド合成酵素の律速段階であるStARを介するミトコンドリアへのコレステロール輸送を維持することを明らかにしました。本研究は、HSF1とテストステロン合成の関連を初めて示したもので、HSF1が性ホルモン恒常性に関連することが示唆されました。